中国医学では、人間の身体は2時間ごとに最もよく働く臓器が違うと考えます。と言って、その時間にはその臓器に負担を掛けてもいい…と言うわけではありません。臓器それぞれに「担当時間」がある、と理解して頂くといいかと思います。
この図は人の身体の「五臓六腑」の担当時間を表わしたものです。この図が表わしている、中国古来の時間生理学が「子午流注(しごるちゅう)」です。
夜の23時から1時までは胆の時間、1時から3時までは肝の時間…というように24時間全てに担当の臓器があります。
例えば、肝の機能は血を貯蔵することです。
肝の担当時間は夜中の1時から3時。
この時間には「肝に血が戻っている状態にする」ことが大事です。
中国には「臥すれば肝に血が帰る」という言葉があります。逆に言えば、夜中の1時から3時には横になっていないと、血が肝に帰らないので、肝臓の機能が十分に発揮できないのです。
なので、肝の担当時間には「寝ていること」が大事なのです。
(社)日本子午流注協会®代表・国際中医薬膳管理師
中国のビジネス書籍翻訳に15年以上携わり、翻訳の予備知識として学び始めた薬膳、中医学に興味を持ち、国際中医薬膳管理師の資格を取得。中国語の文献から子午流注の有用性と奥深さを学び、日本での普及に努める。
2023年、日本における子午流注を用いた健康&生活の質向上を目指して(社)日本子午流注協会®を設立。
翻訳書に「大地の慟哭 中国民工調査」(PHP研究所)、「アリババの経営哲学」(ディスカバートゥエンティーワン)、「アントフィナンシャル」(みすず書房)、「中国モノマネ工場」(日経BP)、「鴻海帝国の深層」(翔泳社)など。